抜け毛や薄毛の原因や発毛のメカニズムを知り、自分自身でもできる発毛方法からプロの手による医療ケアまで、さまざまな発毛方法をご紹介します。
発毛のメカニズムを知ろう
健康な人の表皮は28日周期で生まれ変わり、髪は1日で平均0.3mm伸びるといわれています。
頭皮全体では約10万本にも及ぶ毛髪は、4〜6年の周期で生え変わりますが、体調やストレス、栄養不足、加齢や老化などによる影響を受けやすく、髪の健康を保つには心身ともに健康であることが欠かせません。
発毛のサイクル
髪は、毛母細胞が細胞分裂することで、成長期、退行期、休止期、自然脱毛を繰り返し、4〜6年の周期で生え変わります。
つまり、1本1本の髪の毛それぞれにヘアサイクルというものが存在しています。
永久に伸び続ける髪はなく、全ての髪は一定のところでその成長をストップします。
この一連の発毛サイクルにおいては、同じく毛包にあって、司令塔としての役割をもつ「毛乳頭細胞」が活性化し、毛母細胞が分裂できるように、しっかりと指令できている状態であれば発毛メカニズムが正常に働いている証拠です。
しかし、髪の成長の過程において何らかの問題が生じてしまうと、休止期や脱毛期に入ってしまい、発毛ができなくなってしまう状態になります。
抜け毛や薄毛の原因とは
髪は、毛母細胞が細胞分裂することで、生える→伸びる→止まる→抜けるのサイクルを繰り返します。
この発毛サイクルの伸びる=成長期において何らかの影響や異常を受けると、すぐに止まる=休止期、抜ける=脱毛期に入るため、抜け毛が増える結果となります。
髪の栄養不足
日本人の食生活はもう何年も前から欧米化しています。
こうした食事は動物性タンパク質や油、塩分を摂りすぎて高カロリー・高タンパクになりがちで髪だけでなく、体全体の健康にとってもあまり良いことではありません。
特に肉中心の食事になると、健康維持に必要不可欠なビタミンやミネラルが不足がちになります。
植物由来の健康に必要な成分が摂りにくくなります。こうした食生活を続けていると、脱毛の原因となることがあります。
ストレス
髪はストレスと密接な関係をもっています。
過度にストレスを受けると、全身の器官をつかさどる自立神経のバランスが崩れて正常に機能しなくなります。
すると、毛細血管の血行が悪くなり、体の末端ともいえる頭皮の方までに髪の生育に必要な栄養が十分に行き届かなくなります。
病的な抜け毛
甲状腺の病気や皮膚病など、何らかの病的要因で髪が抜けてしまうこともあります。
AGAなど
AGAとは「男性型脱毛症」を指します。成人男性になるとよくみられる髪が薄くなる状態のことをいいます。
額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていくのが一般的な症状です。
遺伝、または男性ホルモンの影響が主な原因とされています。
遺伝やホルモンバランス
脱毛の主な原因の一つとして遺伝がよく挙げられます。
しかし、脱毛そのものが遺伝するのではなく、男性ホルモンの量や皮脂の過剰分泌といった、いわゆる「脱毛しやすい体質」が遺伝すると考えられています。
AGAの脱毛原因は男性ホルモンとされていますが、逆に女性ホルモンには髪の毛を美しく保つ働きがあるとされています。
発毛へのステップ
発毛の力が弱ってきたと感じても、あせりは禁物です。
発毛には個人差があり、その要因も個々によってさまざまです。
どうしても発毛には時間を要しますし、それ以前に発毛するか否かという問題もあります。
根気よく粘って中長期の視点で気長に取り組んでいくことが大切です。
1.生活習慣の改善
まずは自身の生活改善を、食事の栄養バランスや睡眠時間が充分に取れているか、見直すことから始めましょう。
髪の必要な栄養素はタンパク質をはじめ、亜鉛、ビタミンやミネラルも重要です。
これらの栄養素は野菜など意識的に食事に取り入れていかないと摂れない栄養素です。
2.頭皮改善
発毛サイクルの乱れは、頭皮の乱れ。血液循環の乱れや皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりがないか、肌のケアをするように頭皮のケアを心がけましょう。
シャンプーも酸性の刺激の強いものではなく、アミノ酸系のシャンプーをおすすめします。
頭皮に優しく、また、皮脂を取り過ぎないため、頭皮の改善に役立ちます。
3.発毛促進の改善
生活習慣を見直し、頭皮が健康な状態になってはじめて、発毛剤がその効果を発揮します。
逆に頭皮が炎症した状態などで発毛剤を使用すると、炎症をさらに悪化させてしまうことにつながります。
自分でできる発毛方法
高いサロンに通ったり、発毛剤を使用する前に、自分自身の食生活を見直してみましょう。
シャンプーを変えたり、頭皮や体のマッサージをして、頭皮改善や体質改善をすることから始めましょう。
美容院でできるヘッドスパで毛穴の汚れを落としたり、プロの手でマッサージしてもらうのも効果的です。
頭頂部の発毛方法
男性ホルモンに影響される場合が多く、悪性ホルモンのジヒドロテストステロンが影響すると言われています。
食事やサプリメントで改善できるので、納豆や豆腐といった女性ホルモンに似た大豆食品の摂取が効果的です。
また、百会というツボが頭頂部にあります。
ここのツボを押すことで、まず自分の頭皮の状態もチェックできます。
押した時に、あまりにも痛みを感じた時は、血流が滞り詰まってしまっている状態です。
百会のツボ押しで頭皮の健康状態から始めましょう。
生え際の発毛方法
こちらはDHTと呼ばれる抜け毛ホルモンの影響によるものが大きいようです。
また、現代の欧米化した食生活による影響もあるようです。
動物性たんばく質(特に肉類)ばかり摂るのではなく、植物性タンパク質(大豆など)で栄養を補い、バランスのとれた食生活を心がけることで改善が望めます。
特に大豆タンパク質はアミノ酸代謝が良く、血中のコレステロールを下げる働きもあるので、健康にとっても髪にとっても良い栄養素です。
肉類を中心とした欧米食では、緑黄色野菜や魚を食べる機会も少なくなり、どうしても栄養バランスが乱れがちになります。