自毛植毛とは自分の毛髪を利用する植毛法で、薄毛治療の先端医療として注目されています。そのメリットとデメリットについてご紹介します。
自毛植毛とは
自毛植毛とは、文字通り自分の毛髪を利用する植毛法のことです。
欧米では、既に盛んに行われている薄毛治療の先端医療で、自身の毛髪を生きたまま薄くなった部位に移植する施術です。
安全に、より自然な毛髪を再現することができます。
これまでの日本の薄毛治療は、かつらや増毛・育毛サービス、育毛剤が中心でしたが、自毛植毛という薄毛治療の新しい選択肢の登場に対して大きな期待が寄せられています。
自毛植毛の施術法
自毛植毛とは、薄毛になりにくい後頭部や側頭部の毛を、気になる部分に医師が外科手術で移植する施術のことです。
毛根を含めた毛包の移植となるために、1本ずつ切り離すことなく2〜3本程度の毛の束ごと移植するイメージです。
一旦移植毛が生着すれば、自分の髪の毛として生え続けるます。
毛周期により脱毛しても同じように生え変わり、毛髪の生着率は95%以上と非常に高いのが特徴です。
ちなみに、後頭部や側頭部の毛乳頭には薄毛の原因となる男性ホルモン(DHT)がほとんどありません。
そのため、男性ホルモンに対して強く、男性ホルモンの影響を受けることがないとされています。
これにより、新しい部位に植毛した際にも定着するのです。
また、人工的な髪ではなく自分の髪であるため、毛髪の生え変わりや毛髪の色の変化などは至って自然です。
自毛植毛のメリットとデメリットとは?
自毛植毛はその自然な仕上がりと高い生着率が期待できますが、メリットとデメリットがあるのも事実です。
自毛植毛のメリット
高い生着率
文字通り、自分の毛を移植するため、拒絶反応の心配がありません。
人工的に作られた毛を植毛する場合には拒絶反応を示すことが多々あり、施術後1年程度で抜け落ちてしまうことも多いと言います。
生着率が高いということは大きなメリットです。
また、生着した頭皮は自分の自然な頭皮と同じです。
例えば周りの毛が白髪になる時に、移植した毛も同じように白髪になります。
自毛植毛にはそういう安心感があります。
面倒なメンテナンスが不要
自毛植毛は面倒なメンテナンスが必要ありません。
シャンプーやリンスをするなど、普通の他の髪と同じように扱って全く問題がありません。
AGA治療薬による治療は半永久的に続けていないと効果が薄れていきますので、必然的に継続して費用がかかりますが、自毛植毛の場合は一度施術をしてしまえば、後の費用を心配しなくて済みます。
高い確率で施術が成功
自毛植毛の施術の成功率は約95%。これは、とても高い成功率です。
AGA治療薬による治療は早い人でも効果を実感するのに半年程度はかかりますし、人によってはなかなか効果が表れない場合もあります。
その点、自毛植毛は効果が確実ですし、治療を受けながら効果が出るか否かで日々悩む必要もなくなります。
自毛植毛のデメリット
髪の全体量は変わらない
自毛植毛の場合、後頭部や側頭部などの頭皮から毛髪を採取するため、髪の本数は必然的に限られてきます。
また、言い方を変えれば、髪の生える場所を移しているだけとも言えるため、髪の全体量は変わりません。
つまり、どの部分から何本採取してどこの部分に植えるかという綿密な計画が必要となります。
この原理に基づくと、例えば全体的に薄毛が進行していて後頭部や側頭部でも薄毛が進行していたりする場合、頭皮の採取自体が行えないという事態にもなりかねません。
高額な費用がかかる
AGA治療同様、自毛植毛も保険の対象外となり、かかる費用は高額になります。
例えば、頭頂部の一部に1000株を植毛する場合には70万程度の費用が相場となっています。
AGA治療薬で長期間継続した治療を受けるにも負担はかかりますので、どちらを選ぶかは双方のメリット・デメリットを十分に検討する必要があります。
施術の際の傷跡が残る
自毛植毛の施術を受けると、どうしても頭皮に縫合の後が残ります。
髪を極端に短くしなければ目立たないかもしれませんが、髪を極端に短くしたり、将来、薄毛が進行した場合に傷跡が気になってしまう可能性もあります。
傷跡が気になるようであれば、事前に施術を受けるのか否か慎重に考えなければなりません。
自毛移植の副作用
自毛植毛には副作用が出る場合もあります。
まず、傷跡が残ることは覚悟しなければなりません。
頭皮の知覚異常やしびれ、まぶたの浮腫など、施術に伴い症状が出る場合もあります。
また、ごく稀ですが頭皮の化膿、張り、神経の損傷、内出血などの症状がでる可能性もあります。
施術前に検査を行い、状況をしっかりと把握しておくことが重要です。